ブルーベリーのひみつ(ブルーベリーの機能性)

ブルーベリーとALS

2016.02.15


みなさん、こんにちは。

さて突然ですが、ALS(筋萎縮性側索硬化症)という病気をご存知でしょうか?なかなか聞きなれない名前の病気ですね。この病気で有名な方といえば、物理学者のホーキング博士でしょうか(※ホーキング博士は、ALS以外の神経疾患も考えられています)。「アイス・バケツ・チャレンジ」でも一時期、有名になった病気ですね。

では具体的にどのような病気なのでしょうか?簡単に言うとALSは、運動神経細胞のみが障害されていく病気です。知覚神経や自律神経は、障害されないため基本的には、五感や記憶、感情、知性は、健常です。何故か運動神経だけが障害されるのです。運動神経が障害されるとどういうことがおきるかというと…歩けなくなる、手が動かなくなるが思いつきますが、やがて自発的に呼吸ができなくなる、という病気です。

しかも未だに治療法はおろか、はっきりした原因さえ良くわかっていないと言う状況です(いくつかの原因仮説は考えられています。また、その仮説に基づく薬もありますが、完治できるといったものではありません)。10万人に1〜2人の割合で発症します。

今回、ご紹介するのは、北欧産野生種ビルベリーがこのALSの予防について可能性があることがわかりましたので、お伝えしたいと思います。ALSの発症原因については、いくつか説があります。
その中でも最も有力な説の1つにSOD1(私たちの体の中にあり、常に活性酸素と戦ってくれている酵素です)の凝集(SOD1の形がおかしくなり、集まってしまった)が考えられています。普段は、私たちの体の中で活性酸素と戦っているSOD1ですが、何らかの異常により、形が変わり凝集してしまうと神経細胞を障害してしまうことがわかっています。つまり神経細胞にとって「毒」になるのです。

試験管内だけでわざとおかしくなった(変異したといいます)SOD1をいくつもいれます。通常何もしなければ、凝集してしまいます。つまり「毒」の状態になるのです。ところが、変異したSOD1をいれる際に北欧産野生種ブルーベリーのアントシアニンをいれると…、なんと凝集することを抑えたのです。


ブルーベリーありとなしの変化
(凝集してしまうと上左写真のように「トゲ」のような形になります。ところが、北欧産野生種ブルーベリーのアントシアニンを同時にいれることで凝集が防げています)

 ALSは、まだまだ未知の部分が多い病気です。この研究結果も北欧産野生種ブルーベリーを食べれば治る・完全に予防できるという結果ではありません。しかし、ひとつの可能性として、50年先、100年先の人々の健康に繋がればと思います。多くの研究者(全てとは言いません…)が研究という形で人々の役立ちたいという強い想いがあり、昼夜日々、格闘しています。長い道のりですが、未来へと続く研究成果を残し続けてくことが大切だと思います。


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寄稿者プロフィール

わかさ生活研究所